Colosoのフリーアニメーター hide氏の【どんな角度からでも描けるようになる人物画練習ドリル】を昨年2024年の12月に購入。この度7月半ばで、ようやく完走しましたので、レビューしたいと思います。
どんな角度からでも描けるようになる人物画練習ドリル フリーアニメーター hide
どんな講座?
プロアニメーターとして活躍し、『ONE PIECE』『進撃の巨人』『僕のヒーローアカデミア』など人気作にも参加。現在は、YouTubeチャンネルで、約70万人の登録者がある、
フリーアニメーターのhide氏。
そのノウハウを「動画+実践形式」で学べる講座です。
尚、この講座「どんな角度からでも描けるようになる人物画練習ドリル」は先生の講座の第一弾で、
他に「どんなキャラクターでも描ける!描いて覚える顔の描き方ドリル」(販売中)と
「手の描き方から魅せる構図まで、キャラクターを魅力的にみせる方法」(発売予定)があり
全三部作のようです。小遣いが・・・
講座内容等
カリキュラムの主な内容
セクション | 主な内容 |
---|---|
1.入門 | hideの仕事経歴と講座の流れ紹介 |
2.線の引き方 | ペンの持ち方、直線・曲線・円の練習 |
3.人物画の基礎知識 | 人物を描く前に知っておいてほしいこと
男女の比率の違い 頭身ごとのキャラクターの特徴と描き分け |
4.ジェスチャードローイング | ジェスチャードローイング |
5.立体を意識した人物の描き方 | パースとは何か?
立体を描く練習 人物を立体的に描くためのコツ 立体を意識して人物を描く |
6.7.骨格と筋肉の単純化(6.胴体・7.四肢) | 骨格・筋肉の単純化、各パーツの構造 |
8.自然な人物を描くための知識 | 自然なポーズを描くためのポイント |
9.実践編 | キャラクターイラストを描いてみる |
順序立てて分かりやすく教えてくれる講座です。
人体構造理解~美術解剖学まで人体全体を描く基本を全部載せといった感じ。
線の引き方練習から始まり、パース(遠近法)や
人体を単純な形に置き換えて描くために必要な「円柱・立方体」の描き方まで網羅し、
実際に身体の各パーツや全身を描くことへと発展。特に「どんな角度から」というテーマ通り、立体を意識した描写法を段階的に身につけていきます。
全講座時間
「全27講 19時間 36分」とボリュームたっぷりです
昨年の年末に購入し、正月休みにでも全部とりあえず通しでみてやろうなんて
軽く考えていたんですが、中々のボリュームで、途中で視聴を一旦あきらめました。
一気にやろうとせず、一日1チャプターずつやるくらいがちょうどいいと思います。
又、講義内容は、内容説明→先生が1から描きながらの説明→一緒に描いて練習
のような順番でだいたい進行します。
1チャプターは大体30分前後くらいですが、
一緒に描きながら講座を受けると低速再生や巻き戻し・一旦停止などで、
もっと時間がかかると思った方がいいです。
実際、私は等倍速では先生が描くスピードについていけず、
再生速度を0.7~0.8倍速に下げてやっとついていけたくらいです。(それでも殴り書きですが)
colosoの動画再生は、PCでしか確認していませんが倍速設定もしやすく
巻き戻しや早送り、リピート再生も使いやすいのでその点はよかったです。
講座を受講してみて
全体を通しての感想
講座は、先生の描くイラストのようなかわいらしい半ディフォルメ調ではなく、実際の人体のようなリアル系の描画で主に進行します。
というわけで、Colosoの講座紹介にあるような先生が描く可愛らしい画風のイラストは
ほとんど出てきません。
(私の記憶では、最後のセクションで服まで着た完成形と完成前の素体状態が数回くらい)
先生の描く可愛らしいイラストをお手本にしながら、
楽しく学んでいこうと思っている方はその点は注意が必要です(実際私がそうだった)
どちらかというと、応用が効くように
リアルよりの人体描画で基礎を学び、土台作りをしようという感じ。
モデルもフリー素材の写真モデルを参考にすることが多く、
又、人体ドローイングの基礎を学ぶ講座のため、顔が四角だったりする目鼻口のない素体や体の一部分を描くことが多かったです。
写真モデルは映画マトリックスのトリニティー似の女性が様々なポーズでよく出てきて、
私的には「またお前か(失礼)」てな感じでした。
そんなこんなで先生はわかりやすく教えて下さるんですが、
私にとっては久方ぶりに学校の授業を受けているようで、
第5講までは結構苦行で途中ウトウトすることも・・・(飲んでたからってのもありますが)
第六講からは興味のあった筋肉の種類や動きなどの美術解剖学的なことを
先生が非常にわかりやすく講義してくれ、私にとっては結構楽しく受講できた感じです。
その他 気になった点
先生と一緒に描きながら練習するパートがありますが、
正面向きくらいであれば何となくついていけますが、
後ろ向きや斜め上向きなどの難しいポーズになると、
完成形がわからないまま、先生の描く手順をただ追うだけになってしまうため、
一度、完成形を最初に見せてもらう進行の方が描きやすかったかなと感じます。
そのため、先生が描き終えたところまで早送りし完成形を確認し、
再び巻き戻して一緒に描くか、
クリスタを使用している人限定になりますが
添付資料で完成形を確認しながら描く、といった工夫が必要になると感じました。
その他
講座を受けるのに紙や他の描画ソフトでも十分可能ですが、
添付資料が描画ソフト「Clip Studio」でしか開けない為、できればClip Studioがあったほうがいいと思います。
(添付資料は、講座で描かれたイラストの全部が添付されているわけではなく
権利とかの関係なのかフリー素材モデルを使用して描かれた部分はなかったです。)
又、講座はClip Studioが当然使いこなせるものとしてどんどん進行するため、
先生が画面上で描いているのと逐一同じように描こうとするなら、
Clip Studioをある程度使いこなせる方がいいと思います。
クリスタ初心者の私は最初は先生と同じようにClip Studioを操作して
描こうと挑戦しましたが、
「どうやってこの部分だけ移動させてるの」とか「コピペをどうやってしてるの」など
使い方がわからずついてけないので、描くことだけに集中しました。
どんな方•どんなレベルの方におすすめか
どんな方におすすめか
人体イラストの基礎をしっかり学びたい方におすすめです。
特に、
- 学校で学びたいけれど、仕事が忙しく通う時間がない方
- 金銭的な理由で通学が難しい方
- 独学で本を読んでみたものの、なかなか身につかないと感じている方
- 「本を読むより、実際に描きながら学ぶほうが自分に合っている」と思っている方
こういった方には、ぴったりの内容だと思います。
どんな角度からでも描けるようになる人物画練習ドリル フリーアニメーター hide
どんなレベルの方に向いているか
講座では「入門〜初級」とされていますが、最低限、簡単な立方体くらいは何となくでも描ける方までが対象かなと感じました。
学校の美術で言うと、5段階評価で「3」くらいまでの方でしょうか。
アメトーークの「絵心ない芸人」みたいに、顔が全部正面で手が棒のような絵になってしまうレベルの方だと、ちょっとついていくのが大変かもしれません。
まとめ
なかなかヘビーな講座でしたが、
今回の講座を受講してみて、学校で学ぶような内容を“買い切り”という形で、
仕事持ちの私(結構忙しいです)が自宅で好きな時間に学べた事が大きかったです。
わからない部分を何度でも見返せるうえ、絵が完成していく過程を丁寧に追うことができ、復習もしやすいというメリットありです。
これから、先生のおっしゃるように「知識を得る」事は出来たので、
「描いて覚える」部分をより一層重視していこうと思います。(優等生っぽい)
値段だけを見ると高く感じるかもしれませんが、
学校に通うことを考えれば(実際に通ったことはなく相場はわかりませんが)、
自分の興味のある講座だけを選んで受講できる点を踏まえると、むしろコストパフォーマンスは高いと感じました。
尚、第二弾の講座「どんなキャラクターでも描ける!描いて覚える顔の描き方ドリル」
も購入したのでまた完走したらレビューしたいと思います。
修行はつづく
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