アニメ『ONE PIECE』『進撃の巨人』『ジョジョの奇妙な冒険』など、数々の有名作品で作画監督や原画を手がけてきたフリーアニメーター・hide氏。
今回ご紹介するのは、そんなトップアニメーターが手がけるColosoのオンライン講座
**「どんなキャラクターでも描ける!描いて覚える顔の描き方ドリル」**です。
この講座「どんなキャラクターでも描ける!描いて覚える顔の描き方ドリル」は第2弾で、
第1弾の「どんな角度からでも描けるようになる人物画練習ドリル」(販売中)と、
「手の描き方から魅せる構図まで、キャラクターを魅力的に見せる方法」(発売予定)を含め、
全3部作となっているようです。
講座概要
この講座は、プロ特有の高度なテクニックを披露するというよりも、顔まわりを描くための基礎作りと、さまざまなキャラクターの顔を効率よく、どんな角度からでも描けるようになることに重点を置いた内容です。
講座の特長は大きく3つ
1. 説得力ある顔を描くための基礎固め
立体的な頭部の捉え方、骨格構造の理解、顔パーツの単純化などを学び、キャラクターの土台となる基礎力を養います。
2. 多彩なキャラクターの描き分け
基礎を理解したうえで、各パーツ・表情・髪型などを描き分け、アニメ調やディフォルメ調の顔にどう落とし込むかを学びます。これにより、どんなキャラクターでも描き分けられる画力の基盤が身につきます。
3. どんな角度の顔にも対応できる頭部の描き方
頭部を立体的に捉えるコツや構造理論を学ぶことで、あらゆる角度から描いても説得力のある顔に仕上げられる秘訣を習得できます。
受講者特典と構成
さらに、受講者特典として講義で使用した実習の例題データが配布され、
復習や模写に活用可能です。
講座動画は全31本構成で、購入すれば期間無制限で視聴可能なのも魅力のひとつ。
添付データについても改良されており、第一弾ではClip Studio形式のみでしたが、今回はPSD形式にも対応しています。
カリキュラム section1~9 全31講 20時間 57分
- Section1〜2:線の引き方、立方体・円柱などの基礎練習
- Section3:標準的な頭部骨格の理解と単純化
- Section4:目・鼻・口・耳など各パーツの描き方
- Section5:リアルな頭部の描き分けと総合練習
- Section6:キャラクターの描き方
- Section7:キャラクター頭部の総合練習
- Section8:髪の毛や表情の描き方
- Section9:まとめ実習「キャラクター設定を作る」
実際に受講してみた感想
この講座は、前半で「リアルな顔の描き方」を通して基礎を固め、
後半でそれを「キャラクター調の顔」に応用する――まさにリアルとキャラの橋渡しをしてくれる内容でした。
前半(Section5まで)は、「球体と平面を組み合わせる」ルーミス式をベースにした、
リアル寄りの頭部練習が中心。
これがなかなかの強敵で、描き続けていると頭の中に乳酸がたまっていくような感覚に(笑)。
でも、そのしんどさもhide先生はよく分かっていて、
「キャラクターのベースはリアルな人間」
「退屈かもしれませんが、土台固めのために頑張りましょう」
といった言葉で励ましてくれるのがありがたかったです。
そしてSection6からはいよいよキャラクター調の顔の描き方に突入!
基礎を土台にしつつ、目・鼻・口などのパーツデザインの考え方や、
いろんなキャラの描き分けを
大変ですが楽しく学べる流れになっています。
特に印象的だったのが、「理屈(立体)」と「感覚(デザイン)」のバランスの取り方。
理屈だけで描くと、どうしてもキャラの顔に違和感が残りがちなんですが、
先生はうまく見た目を優先して調整していて、
自然でな表情へと仕上げていました。
私も過去にルーミスの書籍で顔の描き方を学んだ経験がありますが、
内容はリアル寄りに特化していて、
キャラクター調の表現にどう応用すればいいのか分かりませんでした。
その点、本講座ではSection6以降において、
ルーミス系の立体的な捉え方をキャラクター表現へ落とし込む方法を
丁寧に解説していて、大変参考になりました。
ここが良かったポイント
- 骨格や構造理解を徹底的に押さえるので、「なんとなく描く」から卒業できる
- 立体を意識して描くことで、感覚だと描くのが難しかった角度が描きやすくなる
- 添付データもあるのでで反復練習しやすい
- 正面、横顔、斜め上など多様な角度から描く工程を確認できるため、
これまで十分に描けなかった角度の習得に役立つ。 - 立体を意識した顔の描き方をキャラクター調イラストにも応用できる
ここは人によって向き不向きあり
- 序盤は地味でストイックな練習が続くため、キャラクター調の画風をすぐに学びたい方にとっては少し退屈に感じるかもしれません。
- また、ルーミス系の顔の描き方が苦手な方には、やや描きづらさを感じる部分もあると思います。
まとめ
この講座は、「感覚だけでなんとなく描く」から「理屈と感覚をバランスよく組み合わせて描く」へとステップアップしたい人にぴったりです。
しかも第二弾なので、第一弾の『人物画練習ドリル』と合わせて取り組めば、キャラクターをより立体的に描けるスキルがグッと伸びていきます。
地道な基礎練習も多いですが、しっかり積み上げていけば確実に力になるので、「時間をかけても挑戦してみたい!」という方にはすごくおすすめです。
尚、第1弾の講座「どんな角度からでも描けるようになる人物画練習ドリル」
のレビューもありますので、よろしかったらご確認ください。
>>「どんな角度からでも描けるようになる人物画練習ドリル」
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